セロ弾きのゴーシュ、新バージョン、旅公演がはじまった。
先日、初めて小学校の体育館での公演をやった。
カザルスホールの袖で、狸のリズムを真似していた井村くんがゴーシュをやって、何百回も死にそうになりながらゴーシュをやっていた大石氏がねずみのおっかさんをやって、
狸の子をやっていた頃、よく声がひっくりかえっていたみさこがかっこうをやって・・・。
ゴーシュの旅公演最後の頃の裏方をやっていたきゅうちゃんが、猫役。
ゴーシュを観た事もないさとみが狸の子の役。
そして、ゴーシュの京都公演をみてこんにゃく座にはいった私が楽長・・・。
ゴーシュの小学校の体育館の公演。
思い出すなあ。
自分が裏方で、よく怒られたなあ・・・。
まあ、怒られて当然の事ばっかりやっていた世間知らずの一年生の岡原。
こんにゃく座は集団である。かなり柔らかい集団である。
しかし、実家を初めて出て、社会にはじめてふれた、一人っ子の私には想像できない規律があった。
(規律というにはほど遠い、常識なのだが・・・)
「今日は移動がハードだから、まあ、落ち着いて、ばらしが終わったらシャワーでも浴びて、ゆっくり移動しよう!」
舞台監督の凡ペイさんが言った。
もちろん、素直な私はうのみ。
裏方の私はバラシが終わったら、さっさとシャワーを浴びていた。
照明のスタッフの女性がシャワー室のドアを叩く。
「片付けがてまどったって言うんだよ!急いで!」
不思議な気持ちでハイエースに乗った。
汗まみれでどろどろになった出演者たちが乗っていた。
と、いうか、出演しない座員は私だけだった。
ゴーシュ役の大石さんは運転席。
私の石鹸の匂い・・・沈黙・・・。
東北の旅だったなあ・・・。
毎日、裏方で歌いたくて歌いたくてしょうがなくって、夜、宴会があった時にひとりであまんじゃくの全部の役を抜粋して歌った。
これも、凡ペイさんにえらく怒られたなあ。
「もっと、他の座員のとのバランスを考えろ!」
夜、騒ぐから本番中は眠くてしょうがなかった。
よく楽屋で寝ていた。
横で舞台スタッフの人たちが
「今時のやつはちゃんと先輩の芝居みないんだよなあ」
と、おっしゃってた。実は聴こえていた。
あれから20年。
今日もぼくたちのオペラハウスで小学生諸君に鍛えられている。
昨日公演の最後、
ゴーシュが「ああ、かっこうあの時はすまなかったなあ、おれは怒ったんじゃなかったんだ」
最前列に座っていた男の子が言った。
「じゃあ、なんだったんだよ」
ぎゃあ、これだから学校公演はいいんだなあ・・・。
ゴーシュは毎晩やってくる動物たちに自然と音楽を鍛えられていった。
私達も、観てくださる色々な方の反応に鍛えられていっている。
明日は松本だ!
次の晩もゴーシュは〜また。
水をがぶがぶ飲んで、歌い続けます。
一昨日、青葉区でゴーシュのツーステージ公演したあと、黒テントの芝居をみにいってしまった。
半端に時間があったから生ビール二杯呑んでしまったので、寝てしまうかと心配していたら…。
すごく面白くて全く眠らなかった。
上海の8月10日という設定で、日本の敗戦が知らされる日の上海にいる日本人やら中国人やらの心のうちが大変切なく表現されていた。
服部さんと斎藤さんのブギの説明のかけあいは圧巻だし、稲葉さんの歌はその声音をきくだけで涙が出る。桐谷さんのあくどさも私は好きだなあ。
そして何よりもそれを若者達がしっかり支えているような感じがよかったなあ。
黒テントって親戚みたいな気がして、いい舞台の時は本当にうれしくなってしまう。
大変、大人数の芝居なのでめったに見られないらしい。みなさんもぜひご覧くだされ。
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オペラシアターこんにゃく座 岡原真弓の魂
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