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大魔女ビバリー様のお部屋
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親不孝旅行の続き。
鉛温泉には、なぜか大沢温泉の番頭さんが自分の車で送ってくださった。
(なんとなく、大番頭さんがにらんでいたような・・・。)
この送ってくれた番頭さんは、一度大石さんの指導の『グランド電柱合唱団』っちゅうのに参加したことがあるらしい。そのお蔭かしらん?

鉛温泉には、立ってはいれる壷みたいな岩風呂がある。
これが、また混浴で親父が三人ではいろう!と言うから行ってみた。
わああ、かなり丸見えだ。
でも、まっいいか!
私と母親でとっとと入ってみた。周りの男性達はぎょっとしてた。
待てど暮らせど親父はこない。謎?
旅館内で迷ったらしい・・・。
彼が入って来た頃には私はのぼせそうだったので、出て行った。

小さい頃から親父は裸で家の中をうろうろしたりしなかった。
そういうちょっとダンディズムな所が、かっこよかった。
決してエロい話をしたりしない。
友達が来るとにこやかに出迎えて喋ってくれた。
授業参観は全部親父が来た。
昔は自慢の親父だったなあ・・・・・・・。ふふふ。

反対に母親は、素っ裸で家の中をうろうろしていた。
お客さんがきて呑んでいると、子供だった私の前でもちょっとエッチな話をして笑っていた。
岡原家では『子供の前でそんな話は・・・』というのは皆無だった。
親父の浮気の話も必ずしていた。
タバコをふかしていた。
その灰皿を私が掃除していないとすごく怒った。
そういう母は、かっこよかった。
昔は自慢のお母さんだったなあ・・・・・・・・・。ふふふ。

なんてことを、涼みながら考えていた。
三人で家族旅行というのは、去年私が退院してすぐ淡路島にいった時がはじめてで、
本当にしたことがなかった。
彼らは、商売に忙しく、ことに母は物凄い倹約家で、旅行には一切興味をもたなかった。
私には一人でキャンプスクールに行かせてくれたりした。
高度成長期にがむしゃらに働いた人たちだ。

そのおかげで、私は音楽を勉強させてもらえたわけだ。

今まで、必死で働いてきた両親に本当に感謝している。
そして、もう残す事は考えず、思いっきり自分たちの楽しみのためにお金を使ってください!

ところが・・・・・・。
75年間身に付いた母の倹約精神は、そう簡単にとれるものではない。
鉛温泉の帰りにシャトルバス(無料)に乗らずに、一人700円かかる路線バスに乗った事で怒り狂っていた。
これは、私が選んだ事だった。
親父は横で呑気に地図を指差しながら「今、この辺りやな」とか言ってるし、第一宿泊代がいくらかも何もしらない。母だけでやっている。こういう親父の子だからこんな娘になったと嘆いている。

怒りと爆笑が交互にやってくる家族旅行に、両親はすこぶる元気になった様子。
私は今、熱が出て、咽が痛く、鼻水じゅるじゅるだ。

まあ、親孝行旅行だったのかな????
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