駅で電車を見送る美女二人。
ここは岡山の笠岡。
ピノッキオ組はこの美女の企画してくださった公演の為に笠岡に行ってきた。
まさに小さな体育館をオペラハウスに変えて、障害を持つ皆さんとともに歌う会『うたくらぶ』の方々にみてもらった。
色々な場面で面白い反応だったのだが、一番思った事は、何とも言えない純粋な反応であるという事。
私の演じている太鼓作り職人が『おいこのロバいくらだ?』
と、一人芝居する場面で…。
小学校公演などでは、返事がきて大騒ぎになり、こちらの言ってることが聞こえなくなるほどの時がある。
今回は、ある青年が
『1000円』
と、答えてくれた。
こちらは、決まった台詞の通り
『なに、そりゃ高いもっと負けろ!
』
と歌う。
すると…彼は…しんみりしてしまったのだ…。
芝居を止めて、『これはお芝居だから、駄目だとか言っても気にしないでね』と、いいたかった…。
もちろん、そうはいかない。ははは。
まあ、悪役担当だからいいか…(笑)
その代わり?きゅうちゅんが演じるピノッキオ君が、おじいさんを背負って海を泳いでいる時は、みんな固唾を呑んで観てくれて、最後にピンピンピンとピノッキオのテーマを歌いだしたら、必死の手拍子が出た。
そして、カーテンコールでは女の子が飛び出してきて涙を流して抱きついて喜んでくれた。
因みに、
『お姉ちゃん!』
と言ってピアニストの真理子さんに抱きつき、私を通り越し、まりに抱きつき、おっちゃんと言ってさとおちゃんに抱きつき、お兄ちゃんと言ってきゅうちゃんに抱きつき…、
おばちゃん!と言って私に抱きついてくれた。
私のハンカチで彼女の涙と鼻水を拭いた。
ついでに自分も涙と汗を拭いた。
帰りに電車がでるまで見送ってくれた美女が、
『観客のあの笑顔は本物で、それをあなたたちは作っているのよ!
あなたたちが幸せでないと、笑顔は作ってあげられないよ!色々大変だろうけどね。』
身にしみた。
『私どもは歌を歌い、踊り、その楽しさを伝える為に生きているのでしょう…』
あらら?
ちょっと前に聞いた台詞ではないか…。
『しけたツラしてんじゃねえよ!また旅にでなきゃなんないんだよ』
あらら?
これは一年前くらいに聞いた台詞…。
そう!苦しい事がいっぱいだけど、彼女の涙と鼻水を思い出したら暫くやっていけるかな?
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