オペラ「アルレッキーノ」初演、夢をみていたの?と思うくらいあっと言う間に本番が終ってしまった。
いつもは私は自分が出ないシーンは人のシーンをモニターや袖で観るのだが、今回は次に自分が何をするのかの確認で、ずーーーーーっと舞台の裏でメモを睨んでいた。
いつもはできるだけ楽屋に帰りメイクを整えるのだが、顔どころではない、次のカーテンの回し方で必死だった。
見逃した方には是非、再演を望んで頂きたい!と自信を持って言えるくらい楽しい素敵な作品に出来上がった。そして自信を持って言えるくらい集客がうまくいかなかった・・・ザンニン無念ザンス(これは作品の中での台詞)
なんせ「アルレッキーノ』『ゴルドーニ』『ザンニ』すべて知られていない言葉ばかり・・・。
『アルレッキーノ』召使いの名前・・・つまり家政婦の三田さんみたいなものだ。
『ゴルドーニ』原作者・・・昔のめちゃくちゃなドタバタ劇作家。ドリフのようなもの。
『ザンニ』道化・・・道化なんていうとお洒落なわけのなからない存在だが、私達がやった事は、巨大なカーテンを動かして舞台を転換する大道具さんみたいな、ついでに凄い難しいハーモニーの綺麗な歌を歌うみたいなそんな役割りだった。
つまり、作品全部できた時点でこういう事だとわかった(笑)
お話といえば、ベアトリーチェ(梅が演じた)という女性は自分の兄貴が婚約者フロリンド(ゆうちゃん!)に殺されたのに、婚約者の方が大切でなんとか罪を金で消そうとする。男装して兄貴になりすまし、商売の相手だったパンタローネ(しげどん)の所にやってきて金を取ろうとする。そうすると、パンタローネは、娘クラリーチェ(りえ)を嫁にやろうとする。すでにシルビオ(まろ)と婚約させてたのに。シルビオの父親ドットーレ(うるお)は怒る!
まあ、めちゃくちゃな話である。その話の中に、なぜかアルレッキーノ (大石さんと大ちゃんがダブルキャスト)がベアトリーチェとフロリンドの召使いになってしまう。お互いが知らない所で。
都合よく二人は同じ宿屋に泊まっ
ている。
まあ、お話は実に都合がよい。アルレッキーノはベアトリーチェに手紙をとってきてくれと頼まれたのに、フロリンドに見せてしまったり、食事の用意を二人同時に頼まれ、ついでにつまみ食いしたり、そうそう、ついでにズメラルディーナ(まり)に結婚申し込んだり・・・そうついでなのだ。
でも、オペラとして出来てしまうと、観ているお客様はコロッケが食べたくなったり、結婚したくなったり・・・それはないかもしれないが、まあなんとも楽しい気持ちになっていく。
最後に全部アルレッキーノが悪かった!とかいってみんなに追いかけられるのだが、本当はベアトリーチェが一番ろくでもない!ってな話だったり。
そして、ザンニが前口上からはじめ、場面場面をカーテンの転換を含め、小唄を歌って話を運んで行く。時にはフロリンドのポーター役をやったり、時には宿屋のボーイの役をやったり・・・。
古株の四人で悪戦苦闘。ピノッキオで鍛え上げた久ちゃんとさとちゃんとのチームワークに月の民の双子を組んだ美佐子が加わり、凄い勢いで稽古した。
なんせ4人組つうのは大変。でも、この4人は中々冷静な関係で良かった。稽古場でもどんどん息もぴっ
たり合ってきた!
なのに・・・やはり想像した通り劇場に入って、めちゃくちゃ大変。巨大カーテンを初めて動かすものだから、もたもたする。演出家もイライラしてボロクソ言われるし・・・しかし、百戦錬磨のザンニたちは新人のように可愛く楽屋で泣いたりなんかしない。「いやあ、このカーテンつるつる滑るんで すよねえ。」などと平気で言う。さすがにイライラしていた演出家もずっこけていた。しかし、無論、現場でめちゃめちゃ練習しましたよ!だから初日にはス
カッーっと開け閉めできました。
現場に入ってから大変だったのはカーテンだけでなく、アルレッキーノ役とブリッゲッラ役がダブルキャストで他がシングルだから、そのリハーサルといったら、そりゃあもう「てんやわんやであたまをかかえてどんちゃか!』だった。(これも台詞)
こんにゃく座通の岡原日記読者様なら察してくださると思うのだが・・・。アルレッキーノの大石さんと大ちゃんではお皿のスタンバイの位置がちがったりするし、アドリブも違うし、相手役はどんな玉がきてもとれなくてはならない。ブリゲッラも、とみやんと鍋さんでは全然雰囲気が違う。
それに昼と夜と違うキャストにするという事をしたものだから、本番前に大ちゃんの稽古して本番を大ちゃんでやって、終ってすぐ大石さんで稽古して本番を大石さんでやる・・・という、恐ろしい状態だった。アルレッキーノの登場の2場と最終場面の12場は一日に4回やった。
しかし!とーっても楽しかった!
だって物凄く楽しい音楽なのだ。
聞いているだけで心が弾む、元気になる。そしてザンニが歌う歌は爽やかすぎて泣けてく る。加藤さんの言葉と萩さんの曲は本当に合う。
「月の舟はねどんな物語もどんな時代も乗船できるほど大きいのにポケットに入るくらい小さいのだ。この舟に乗りたいなら誰かを好きになり何かを愛してください、うたを歌ってください」
アルレッキーノやのになんで月の舟やねん?ね!これが加藤直のアルレッキーノこんにゃく座オリジナルなのですよ!
再演したいなあ・・・。
まだ夢の中にいるのかも…。
いつもは私は自分が出ないシーンは人のシーンをモニターや袖で観るのだが、今回は次に自分が何をするのかの確認で、ずーーーーーっと舞台の裏でメモを睨んでいた。
いつもはできるだけ楽屋に帰りメイクを整えるのだが、顔どころではない、次のカーテンの回し方で必死だった。
見逃した方には是非、再演を望んで頂きたい!と自信を持って言えるくらい楽しい素敵な作品に出来上がった。そして自信を持って言えるくらい集客がうまくいかなかった・・・ザンニン無念ザンス(これは作品の中での台詞)
なんせ「アルレッキーノ』『ゴルドーニ』『ザンニ』すべて知られていない言葉ばかり・・・。
『アルレッキーノ』召使いの名前・・・つまり家政婦の三田さんみたいなものだ。
『ゴルドーニ』原作者・・・昔のめちゃくちゃなドタバタ劇作家。ドリフのようなもの。
『ザンニ』道化・・・道化なんていうとお洒落なわけのなからない存在だが、私達がやった事は、巨大なカーテンを動かして舞台を転換する大道具さんみたいな、ついでに凄い難しいハーモニーの綺麗な歌を歌うみたいなそんな役割りだった。
つまり、作品全部できた時点でこういう事だとわかった(笑)
お話といえば、ベアトリーチェ(梅が演じた)という女性は自分の兄貴が婚約者フロリンド(ゆうちゃん!)に殺されたのに、婚約者の方が大切でなんとか罪を金で消そうとする。男装して兄貴になりすまし、商売の相手だったパンタローネ(しげどん)の所にやってきて金を取ろうとする。そうすると、パンタローネは、娘クラリーチェ(りえ)を嫁にやろうとする。すでにシルビオ(まろ)と婚約させてたのに。シルビオの父親ドットーレ(うるお)は怒る!
まあ、めちゃくちゃな話である。その話の中に、なぜかアルレッキーノ (大石さんと大ちゃんがダブルキャスト)がベアトリーチェとフロリンドの召使いになってしまう。お互いが知らない所で。
都合よく二人は同じ宿屋に泊まっ
ている。
まあ、お話は実に都合がよい。アルレッキーノはベアトリーチェに手紙をとってきてくれと頼まれたのに、フロリンドに見せてしまったり、食事の用意を二人同時に頼まれ、ついでにつまみ食いしたり、そうそう、ついでにズメラルディーナ(まり)に結婚申し込んだり・・・そうついでなのだ。
でも、オペラとして出来てしまうと、観ているお客様はコロッケが食べたくなったり、結婚したくなったり・・・それはないかもしれないが、まあなんとも楽しい気持ちになっていく。
最後に全部アルレッキーノが悪かった!とかいってみんなに追いかけられるのだが、本当はベアトリーチェが一番ろくでもない!ってな話だったり。
そして、ザンニが前口上からはじめ、場面場面をカーテンの転換を含め、小唄を歌って話を運んで行く。時にはフロリンドのポーター役をやったり、時には宿屋のボーイの役をやったり・・・。
古株の四人で悪戦苦闘。ピノッキオで鍛え上げた久ちゃんとさとちゃんとのチームワークに月の民の双子を組んだ美佐子が加わり、凄い勢いで稽古した。
なんせ4人組つうのは大変。でも、この4人は中々冷静な関係で良かった。稽古場でもどんどん息もぴっ
たり合ってきた!
なのに・・・やはり想像した通り劇場に入って、めちゃくちゃ大変。巨大カーテンを初めて動かすものだから、もたもたする。演出家もイライラしてボロクソ言われるし・・・しかし、百戦錬磨のザンニたちは新人のように可愛く楽屋で泣いたりなんかしない。「いやあ、このカーテンつるつる滑るんで すよねえ。」などと平気で言う。さすがにイライラしていた演出家もずっこけていた。しかし、無論、現場でめちゃめちゃ練習しましたよ!だから初日にはス
カッーっと開け閉めできました。
現場に入ってから大変だったのはカーテンだけでなく、アルレッキーノ役とブリッゲッラ役がダブルキャストで他がシングルだから、そのリハーサルといったら、そりゃあもう「てんやわんやであたまをかかえてどんちゃか!』だった。(これも台詞)
こんにゃく座通の岡原日記読者様なら察してくださると思うのだが・・・。アルレッキーノの大石さんと大ちゃんではお皿のスタンバイの位置がちがったりするし、アドリブも違うし、相手役はどんな玉がきてもとれなくてはならない。ブリゲッラも、とみやんと鍋さんでは全然雰囲気が違う。
それに昼と夜と違うキャストにするという事をしたものだから、本番前に大ちゃんの稽古して本番を大ちゃんでやって、終ってすぐ大石さんで稽古して本番を大石さんでやる・・・という、恐ろしい状態だった。アルレッキーノの登場の2場と最終場面の12場は一日に4回やった。
しかし!とーっても楽しかった!
だって物凄く楽しい音楽なのだ。
聞いているだけで心が弾む、元気になる。そしてザンニが歌う歌は爽やかすぎて泣けてく る。加藤さんの言葉と萩さんの曲は本当に合う。
「月の舟はねどんな物語もどんな時代も乗船できるほど大きいのにポケットに入るくらい小さいのだ。この舟に乗りたいなら誰かを好きになり何かを愛してください、うたを歌ってください」
アルレッキーノやのになんで月の舟やねん?ね!これが加藤直のアルレッキーノこんにゃく座オリジナルなのですよ!
再演したいなあ・・・。
まだ夢の中にいるのかも…。
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- 最高でした!
アンケートにも書いておきましたが、ホントに素晴らしい舞台でした。行きたくても行けなかった友人に話したら悔しがってました。必ず再演してください。
こんなに素晴らしいのにお客がこれだけだなんて、ホントに勿体ない。
ネコさんにもお話ししましたが、営業戦略をもっと練った方が良いですよ。こんにゃく座のコアなファン層はもう高齢化して現役引退しています。平日昼間の方が出かけやすいと思います。こまつ座は平日昼間の公演でもほぼ満席ですよ。スペイン国立バレエ団も12,600円という値段にもかかわらず平日昼間満席でした。良いものにはそれ相当のお金を出しても出かけるという人たちが大勢いるんですよ。
「本当はベアトリーチェが一番ろくでもない!」ですか?それはよく分からなかったですねぇ。まぁ人使いは荒いですけど。
私にとっては、ズメラルディーナがアルレッキーノにすぐ恋してしまうのが一番理解不能でした。まあお芝居だからいいんですけどって感じですかね。
長文乱文失礼しました。
こんなに素晴らしいのにお客がこれだけだなんて、ホントに勿体ない。
ネコさんにもお話ししましたが、営業戦略をもっと練った方が良いですよ。こんにゃく座のコアなファン層はもう高齢化して現役引退しています。平日昼間の方が出かけやすいと思います。こまつ座は平日昼間の公演でもほぼ満席ですよ。スペイン国立バレエ団も12,600円という値段にもかかわらず平日昼間満席でした。良いものにはそれ相当のお金を出しても出かけるという人たちが大勢いるんですよ。
「本当はベアトリーチェが一番ろくでもない!」ですか?それはよく分からなかったですねぇ。まぁ人使いは荒いですけど。
私にとっては、ズメラルディーナがアルレッキーノにすぐ恋してしまうのが一番理解不能でした。まあお芝居だからいいんですけどって感じですかね。
長文乱文失礼しました。
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