敬愛する演出家、山元清多さんが、一昨日亡くなった。
こんにゃく座の銀河鉄道の千秋楽、
「カンパネルラ行っておいで」
と歌っていたまさにその時刻に、天国に行ってしまわれた。
昨年の変身の稽古の前に肺癌が発見されて、手術を終えた後稽古場に通ってくださった。
元さんは呑めない。
だけど、私達が誘うと必ず呑み席にきてくれて、こんにゃく座のお陰で焼酎を少し呑めるようになったと言っていた。
でも、去年の変身の稽古では呑みに行けなかった。
でも、稽古場ではすごく冴えていて、なっぱさん(奥さん)の手作りのお弁当を食べて、座がプレゼントしたジューサーで作ったまずい野菜ジュースを毎日呑んで、元気に稽古をつけてくれた。
座が元さんと初めておつきあいしたのは18年前、井村くんが入座してすぐの
「北守将軍と三人兄弟の医者」「猫の事務所」の二本立ての公演の演出だった。
ところが、そのころ座は経済問題で、萩京子が作曲できないくらいに奔走していた。
ぎりぎりまで作曲ができず、それでも元さんは平然として
「曲がなけりゃあ、台詞でやればいいだろ」
といって、合宿所の近くを気分転換にお散歩に連れて行ってくれたりした。
そして、私が軍師の長という役で将軍の手紙を運ぶ芝居をするときにどうしても腰が決まらず、ふらふらしていて、それを何遍も何遍もやらされた。
奇跡的な初日が迎えられて、初めてのおつきあいだった元さんだったのに、座員はもうすっかり元さんと親密になってしまった。
それ以来、彼は他の人が演出した作品でもほとんどの座の作品を観にきてくださり、楽屋にきて、私達の目を盗んでお菓子をぼりぼり食べていた。
糖尿病だったから、演出の時は演出助手のゆかりが野菜スティックを作ってそれを食べながら演出していた。
だから楽屋でお菓子を盗み食いしていると、いつも、駄目ですよ!と言った。
もっと食べさせてあげたらよかった。
あんなにガミガミいわなきゃよかった。
元さんはえばらない。
元さんは黒テント所属だけれど、テレビの脚本も映画の脚本も書いていて色々著名人とも仲が良い。
しかし、決してえばらず、本当に信頼のできる人柄だった。
昨日、病院からお家に帰ってきている元さんに会いに、相ちゃんと梅ちゃんと三人で行った。
ドライアイスに包まれた元さんの枕元にメロンパンをあげた。
元さんは天国に行ってくるだけだよね!
うまく文章がかけません。
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