「好色一代男」がオペラになったのは2005年、今から5年前かあ・・・。
元さん台本演出、萩さん作曲!
実はこの好色のビデオを初めて観た。
昔はいつも公演が終ったらすぐに観ていたのに、いつの頃からか公演が終ったら次の旅公演がすぐ始まり、とてもビデオを観ている余裕がなくなった。
しかし、このビデオが観れなかったのは、そういう理由ではないのだ。
ビバリー日記ご愛読の皆様にはご記憶だとおもいますが・・・そうです、わたくし、この公演の時すざまじい事になっていて、その後ビデオみるなんてとんでもない状態なのでした。
詳しくは、2005年10月頃のビバリー日記を読んでください。
まあ、とにかく、わたくしは公演直前、劇場にはいった後に腸閉塞になり、病院から本番に通ったのでした。
今日なぜこのビデオを観たかというと・・・。
部屋の楽譜の本棚を片付けていたら、ふと、元さんの詩のソングを歌ってみたくなって、色々楽譜を出して歌っていた。
そしたら、光さんの作曲ばかりで萩さんのがあんまりない。
ところが、オペラとなると萩さんの作曲がいっぱい。
「にごりえ」やら「金色夜叉」やら、「好色一代男」やら・・・。
色々歌っていると、その頃の事が思い出されて。
そう、ちっとも片付かない!
そしてあげくの果てにビデオまで出てきてしまって・・・あらあら、好色のビデオはビニールがかかったまま。
これは、観なくては!
あら!初めの場面、出ている・・・。
そうだよなあ、はじめ出てないとこのお話の枠組みがわかんないよなあ。
あの時、緊急入院した病院から鼻に管を通したまま劇場の場当たりに出かけた。
元さんが
「とにかく、よく来てくれた。無理な場面はでなくていいから」といって、みんなが協力してくれてソロの無い所は出ないようにしてくれた。
あら?このシーン、歌ってないけど出てる・・・そうだわ、他の人が歌ってる当てぶり的な事を私がやってるから、いないとわからないんだわ・・・。
しかも、変なエッチの様子もやってる・・・。
わあ!牢屋のシーンってこんなんになってたんだあ。
梅の歌、きれえ!墓堀りすげええ!
お化けのシーン!すごおおおい!大騒ぎだあ!
よくも、こんな事できたなあ!
お客さん私のお化けに爆笑してるなあ。
この直後のシーンは全く記憶がない・・・。うわあ。それでも歌ってるし。
出た!吉原のシーン!
凄いかっこいい音楽にかっこいい登場!そこには!
そうそう、私は傘持ちの役だったんだけど、これはもう、体力的に絶対無理という事で、大ちゃんがかわってくれた。
どさくさにまぎれて本公演デビューさせてしまった。
最後の世之介・・・鍋さん・・・稽古場でずっと覚えられなくて、それでも、ずっとみんな笑ってて、いやあ、本番、ちゃんと歌えてる!
この作品は男性出演者が全員、世之介の役を演じる。
その男達みんなが鍋さんを囲み、本当に楽しそうに演じている。
鍋さんが
「女護が島」
と大きな声で歌ったとき、涙がこぼれた。
今、観ると、本当にうまいことキャスティングしてあって、その人に合う台本であり、作曲である。
元さんは座員の事すごくわかってくれたたなあ・・・。
そして、こんなにも素敵な美術、衣装だったんだ!
舞台転換も凄いし、振り付けも面白い。
自分ではほとんど意識がないまま、とにかくやり終えたという感じだったが、観た人みなさん、すごく誉めてくださった。
「力が抜けててすごく良かった」
だって・・・力はいんないんだもんねえ。
元さんが言った。
「岡ちゃん・・・これよ!これを他の芝居で生かしなさい」
今日、観てみて、我ながら・・・よかった。
なるほどねええええええええええええ。
元さん、こういう事ですよねえ。
しかし、このような状態にするには・・・どうしたら・・・。
天国から観ててねえ!
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